2011年6月22日水曜日

再・フィールド調査in SCB(3)

さて、いつも生物学の講義の時などに学生さんにさりげなく言われてひそかにイラッとしていること。

「生物や植物は、、、」
(他にも「人間や動物は」とか「植物や野菜は」というのも地雷ですよ。要注意。)
植物だって生物だいっ。ちゃんと生きてるしCHONPSでできてるし。

たしかに動物と違って行動したりしないので、目立たなくてなかなか興味を持ってもらうことが難しいのは事実です。でもね。あなたが今吸っている酸素は植物が作ったし、あなたが今日食べたお米も植物だし、お肉だってもとをただせば植物を食べた動物の肉。すべては植物が基盤と言っても過言ではないのです。もっと敬意を持ってあげてください。

…とちょっと逸れましたが、要するに何を言おうとしているかというと、ここガラパゴスでゾウガメやイグアナは目立った固有種だけど、植物だってたくさんの固有種が存在していて、それはこの過酷な環境で自然選択が繰り返された結果起こった進化の賜物なのですよ、ということ。動物と違って嫌な環境からすたこら逃げ出すこともできないので、より「進化しなくてはいけなかった」生物たちなのです。

例えばここサンクリストバル高地には「ガラパゴスチドメグサ」があります。
普通のチドメグサと比べたら、葉の面積比5倍!?かなり巨大です。

ついでにサンタクルス高地で見られる「ガラパゴスオオバコ」。外来種のオオバコと比べると肉厚でへら型で細かい毛が生えています。

え、これで固有って言われても!!!と思う方も多いでしょうね…正直私もそう思います。。。
でもね、この「ほんのちょっとの違い」が、たぶん生死を分けるほどの大きな違いだったかもしれないんです、本人たちにとっては。もちろん見た目ではなく、生理活性の違いなどが直接効いている可能性が高いという意味で。

この「ほんのちょっとの違い」を見つけることから、進化をひも解くことができると私は信じています。

<再・SCB採集記・完>

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