2011年6月26日日曜日

街での生活(4)

水の話
日本では通常、水道をひねればおいしくて安全な水が出てくる。それが当たり前だと思っていますよね。
ここにきて最初の頃、あまりにもいろいろな当たり前でないことがありすぎて、驚くこともできないままに受け入れてしまったことの一つに、水の問題があります。
元々島という場所では万年水不足であることが多く、海水を淡水化して使っていることが多いのはご存じだと思います。しかもガラパゴスのような火山島では、降水量が少ないうえに火山性の岩石あるため、あっという間に地下に浸透してしまうので川もありません。

実際にここの水道水は塩気を感じます。しかしサンタクルス島の水は淡水化しているわけではなく、町はずれのちょっとした断崖からくみ上げているのだそうです。しかし海に近く、溶岩は目が粗いので海水が浸透して混じってしまうようです。他の島でもそうやって水を得ているのは同様で、島ごと(深さ、海からの距離など)・季節ごと(雨量が多いか少ないか)で海水の混じり具合が違うので、水質は一定しないと思われます。先日いらっしゃったO先生と夫は、趣味であちこちの水道水をちょこっと測っているので、比較してみたら面白いかもしれないですね(国立公園内の天然水をちゃんと研究として扱うためには、PNGの許可が必要です。居住地域の水道水であり、何も破壊しない、持ち帰らない、簡易測定なので許容範囲)。

これはイサベラに行ったときにみた、給水の様子です。このホースから水をくみ上げてトラックにつんでどこかへ運んで行きます。なんでもない溶岩に穴を掘ってくみ上げる!?衝撃ですね…だって溶岩流はどこまでも広がっていて、どこに水がたまっているかなんてわからないですから。ホテルなど水の需要が多い場所ではこのように直接給水車が来ます。
 一般家庭ではどうしているかというと…
おそらく20リットル前後だと思いますが、このタンク1本2$、これが生命線です。1週間ほどで使い切ってしまうので、結構頻繁に頼まないといけません。うっかり大家さんに言うタイミングがずれると、コーヒー1杯入れることができません。死活問題です。水って、本当に大事なんだなと実感させられます。水道をひねると普通に飲める水が蛇口から出てくるってすごいことなんですね。

実はうちの大家さん、市役所で水関係の仕事をしています。先日、夫(有機化学屋)が水質分析の件で辞書を引き引き大家さんといろいろ話し込んでいたのですが(大家のおっちゃんはスペイン語しかできない)、今度来たときには水を採取している場所に案内してあげるよ!ということになりました。やったね~!

今、放射能汚染の可能性の問題で、日本でも水をボトルで買い、しかも品薄だと聞きます。
日本を表す「水と安全はタダ」というフレーズの通りの、素敵な日本に早く戻りますように…

2 件のコメント:

  1. ご無沙汰しました。。
    このところの記事をまとめて読みました。
    学生さんがいらっしゃって充実した(と一言でまとめるにはもったいないほど素晴らしい!)日をお過ごしだったんですね。将来保全に参加してくれる若い人が出てくるかしら...?
    今は水屋さんの旦那さまもいらっしゃって、なかなか楽しそうな感じで(^^)

    私が住む(大きな)島でも、濁った水が水道から出てくるので、20L(=600円位)のボトルを買っています。しかしこちらの人は結構普通に水道水飲んでます。こちらでは尿管結石の人が異常に多く、私たちは密かに水道水を飲むからだと思っています…。

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  2. うー。それはすごい話ですね。味には問題ないのでしょうか?
    ガラパゴスの場合、塩っぽくて使い物にならないのでそのまま飲む人はいないようですが、味に問題がなければ特に気にしないで飲めそうな気もします。
    野菜をゆでるときなんて、水道水そのままでいいので便利♪

    ちなみに先日Red mangroveでお寿司を食べました。チリ産サーモンをここでも食べるとは思いませんでしたが、日本から輸入したお米+日本で食べるより移動距離の短いチリから来たサーモン、ちゃんとお寿司になっていておいしかったです。旦那さまに宜しくお伝えください(^^)

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