2011年6月30日木曜日

草食系男子と肉食系女子

¡ Hola !
ある日、ダーウィン研の裏のビーチに植物がないか一人でぶらぶらしていると、1つの岩の上で仲良く日光浴している爬虫類たちが。


イグアナとトカゲの決定的な違いは、イグアナは草食、トカゲは肉食というところです。ウミイグアナ(固有種)は海に潜って海藻を、ヨウガントカゲ(固有種)は昆虫を主に食べています。まさに草食系男子と肉食系女子の組み合わせ。

…ある意味、ウチみたい。
ちょこまか動いて消費カロリー高くて喧嘩っ早いメスと、穏やかでじーっと落ち着いて考えてから動くオス…(でも逃げ足だけは意外に速い)

ま、それはそれとして、普段はじーっと日向ぼっことかしてるイグアナなのに、踏みつけそうになるほどのイグアナの茂みを歩いていたら意外に素早く動くので(しかも動き方がニワトリ並みに的外れなんだよね…、まあ鳥類と爬虫類は近いからしょうがないか)驚いたし怖かったてんこ盛りの「イグアナ山」…

「あっち行けよう!」「おまえこそあっち行けよう!」

さて、何匹いるでしょ~か?
そんなお散歩でした。

¡ Chau !


2011年6月26日日曜日

街での生活(4)

水の話
日本では通常、水道をひねればおいしくて安全な水が出てくる。それが当たり前だと思っていますよね。
ここにきて最初の頃、あまりにもいろいろな当たり前でないことがありすぎて、驚くこともできないままに受け入れてしまったことの一つに、水の問題があります。
元々島という場所では万年水不足であることが多く、海水を淡水化して使っていることが多いのはご存じだと思います。しかもガラパゴスのような火山島では、降水量が少ないうえに火山性の岩石あるため、あっという間に地下に浸透してしまうので川もありません。

実際にここの水道水は塩気を感じます。しかしサンタクルス島の水は淡水化しているわけではなく、町はずれのちょっとした断崖からくみ上げているのだそうです。しかし海に近く、溶岩は目が粗いので海水が浸透して混じってしまうようです。他の島でもそうやって水を得ているのは同様で、島ごと(深さ、海からの距離など)・季節ごと(雨量が多いか少ないか)で海水の混じり具合が違うので、水質は一定しないと思われます。先日いらっしゃったO先生と夫は、趣味であちこちの水道水をちょこっと測っているので、比較してみたら面白いかもしれないですね(国立公園内の天然水をちゃんと研究として扱うためには、PNGの許可が必要です。居住地域の水道水であり、何も破壊しない、持ち帰らない、簡易測定なので許容範囲)。

これはイサベラに行ったときにみた、給水の様子です。このホースから水をくみ上げてトラックにつんでどこかへ運んで行きます。なんでもない溶岩に穴を掘ってくみ上げる!?衝撃ですね…だって溶岩流はどこまでも広がっていて、どこに水がたまっているかなんてわからないですから。ホテルなど水の需要が多い場所ではこのように直接給水車が来ます。
 一般家庭ではどうしているかというと…
おそらく20リットル前後だと思いますが、このタンク1本2$、これが生命線です。1週間ほどで使い切ってしまうので、結構頻繁に頼まないといけません。うっかり大家さんに言うタイミングがずれると、コーヒー1杯入れることができません。死活問題です。水って、本当に大事なんだなと実感させられます。水道をひねると普通に飲める水が蛇口から出てくるってすごいことなんですね。

実はうちの大家さん、市役所で水関係の仕事をしています。先日、夫(有機化学屋)が水質分析の件で辞書を引き引き大家さんといろいろ話し込んでいたのですが(大家のおっちゃんはスペイン語しかできない)、今度来たときには水を採取している場所に案内してあげるよ!ということになりました。やったね~!

今、放射能汚染の可能性の問題で、日本でも水をボトルで買い、しかも品薄だと聞きます。
日本を表す「水と安全はタダ」というフレーズの通りの、素敵な日本に早く戻りますように…

2011年6月22日水曜日

再・フィールド調査in SCB(3)

さて、いつも生物学の講義の時などに学生さんにさりげなく言われてひそかにイラッとしていること。

「生物や植物は、、、」
(他にも「人間や動物は」とか「植物や野菜は」というのも地雷ですよ。要注意。)
植物だって生物だいっ。ちゃんと生きてるしCHONPSでできてるし。

たしかに動物と違って行動したりしないので、目立たなくてなかなか興味を持ってもらうことが難しいのは事実です。でもね。あなたが今吸っている酸素は植物が作ったし、あなたが今日食べたお米も植物だし、お肉だってもとをただせば植物を食べた動物の肉。すべては植物が基盤と言っても過言ではないのです。もっと敬意を持ってあげてください。

…とちょっと逸れましたが、要するに何を言おうとしているかというと、ここガラパゴスでゾウガメやイグアナは目立った固有種だけど、植物だってたくさんの固有種が存在していて、それはこの過酷な環境で自然選択が繰り返された結果起こった進化の賜物なのですよ、ということ。動物と違って嫌な環境からすたこら逃げ出すこともできないので、より「進化しなくてはいけなかった」生物たちなのです。

例えばここサンクリストバル高地には「ガラパゴスチドメグサ」があります。
普通のチドメグサと比べたら、葉の面積比5倍!?かなり巨大です。

ついでにサンタクルス高地で見られる「ガラパゴスオオバコ」。外来種のオオバコと比べると肉厚でへら型で細かい毛が生えています。

え、これで固有って言われても!!!と思う方も多いでしょうね…正直私もそう思います。。。
でもね、この「ほんのちょっとの違い」が、たぶん生死を分けるほどの大きな違いだったかもしれないんです、本人たちにとっては。もちろん見た目ではなく、生理活性の違いなどが直接効いている可能性が高いという意味で。

この「ほんのちょっとの違い」を見つけることから、進化をひも解くことができると私は信じています。

<再・SCB採集記・完>

2011年6月18日土曜日

再・フィールド調査in SCB(2)

以前にも書いたように、ここには世界中でサンクリストバルと、サンタクルスの高地にのみ自生している固有種ミコニアがあります。

前回来たときはガルア季で、霧がかかって届く光が弱いため赤い色をしていた葉が、……今回は青々していると思っていたのに、ほとんど枯れ果てています。雨季における高地の過乾燥が、こんなに過酷だったとは…。では、写真で見たことのある青々とした葉のミコニアは、いったいいつみられるのでしょうか?

高地では、雨季における過乾燥とガルア季における過湿潤の「どちらにも」対応できる種「のみ」しか生育できません。どちらかに対応できる種は多くあるでしょうが、「どちらにも」は難しい条件です。何しろ真逆の条件なのですから。この過酷な環境が、進化をより促進するわけでーーミコニアはそのどちらにも適応し、純林を創ることのできる限られた植物なのです。(侵略的外来種が入ってくる前までは)

そんななか、初めて見ました。ちゃんと開いているミコニアの花!
小さくて、かわいいですねー。


夜、ご飯を食べに出かけた帰り道。
いつも水が流れているかどうかくらいの小さな川だと思っていたけれど、どうやら「生活排水の流路」だったのですね。洗剤で泡立っています。
やはり人が生活することそのものが環境負荷なのだなあと実感するのでした。


それにしても、相変わらずひどいアシカの昼寝。
のどかというかなんというか…
これが、サンクリストバルという街です。

2011年6月14日火曜日

再:フィールド調査in SCB(1)

雨季で植物が茂っている季節にフィールドワークで出かけすぎて、ネタがだいぶ古くなってきてしまいました…季節が前後していますが、ご容赦ください。

さて、ガラパゴスの季節は、大きく分けて「雨季:1月~3月」と「ガルア(霧雨)季:6月~10月」の2つがあります。まるで通年雨が降っているように聞こえますが、全く違います。
雨季には気温が30度以上まで上がり、時々スコールが降ります。しかし普段は至って晴天で、暑い上に太陽がギラギラ照りつけ紫外線が強く、私のような特殊虚弱体質(体温調節が下手でしかも紫外線アレルギー)には致命的な天気が続きます。一方ガルア季は、高地で常に霧雨が降っており、低地でも気温は低く、特に朝は曇天です。

このような気候の変化は、主に季節風が影響しています。ガルア季には南東からの風が強く、島の南東側斜面を上がった水分が雲になって高地に霧雨をもたらします。雨季には南東からの風が弱まり、雲ができないため高地で乾燥し、一方低地では高温のため蒸発した水分が時々スコールとなるのです。
フロレアナ島低地(左:ガルア季、右:雨季)

もともとガラパゴス諸島は全島を通して降水量が極端に少ない地域です(プエルトアヨラで年降水量400㎜程度)。標高がそれほど高くないこと、赤道付近は基本的に風が弱いことが影響していると言えるでしょう。逆に同じ海洋島でも、年降水量が12000㎜を超えるハワイ諸島カウアイ島のような場所もあります(cf. 東京で約15001800㎜)。標高と季節風は、気候を決定する非常に重要な要素なのです。

…というわけで、実は前回(10月末)サンクリストバルへ行ったのはガルア季まっただ中、高地では霧がかかって視界5m、低地ではひどく乾燥して目的の植物が枯れ果てているという状況でした。季節は変わって今(3月半ば)は雨季。低地のサンプリングは今しかありません。まあ、他の回でもサンプリングに関しては散々書いているので割愛して、季節が違うと何がみられるのか?慣れてくると何が見えてくるのか?書きたいと思います。

ガルア季にも行った、ガラパゴス諸島唯一の淡水湖、El Junco。前回目の前にあるはずの水面すら見えないありさまだったのに、今回は一片の曇りなく全容を見ることができました。上空を飛び回るのはグンカンドリ。


実はここ、元は放牧がおこなわれていて、全く植生が禿げていた時代があるそうです。今もそのころの影響で、侵略的外来種ブラックベリーの姿がちらほら…でも固有種ミコニアを植栽することで、以前の風景が戻ってきています。

今回は看板だけでなく、風力発電の風車も。

先日書いたように、ガラパゴス諸島では現在化石燃料ゼロへ向けて各種取り組みが盛んです。人口が増え、観光客が増えて既存の電力供給が間に合わないことだけでなく、2001年に起きたサンクリストバル島沖のタンカー座礁事故を深刻に受け止め、自然エネルギーが着目されているのです。昨年、人口100人のフロレアナ島では、100%ソーラーエネルギーを達成しました。現在の目標jは2017年に化石燃料をゼロにすること。各国のODA、企業などがソーラーパネル、風力などに力を注いでいます。個人的には地熱が利用できたらいいのになぁと思うのですが、さすがにフェルナンディナで発電してもどうしようもないですもんねえ。残念。

ちょっと気になったのは、島の人は「上の方はいつも霧雨が降ってるよ」と言っており、季節によって変わる自分の島のことをちゃんと把握していない様子。まあ地元の人にしてみればわざわざ行くほどの観光地でもないので仕方ないのかもしれませんが…こういうとこに住んでいるならもうちょっと身近な自然を知ろうとしてもいいのではないかと思うのはお節介なのでしょうか。それが、この島を保全する環境教育の第一歩だと思うのですが。

つづく。

2011年6月11日土曜日

実習実況中継(8)

*Junio 10 Viernes--現実の世界へ。 

本日野外調査法(2)ガラパゴス実習は、実習地での行程をすべて終え、帰国の途に就きました。この先まだまだ長いですが、とりあえずは
¡¡Buen viaje!!


百聞は一見にしかず、と言いますが、今回来てくれた学生さんたちはきっと多くのものを得たと思います。実際に体験して得られることは「自分だけの財産」です。今はまだすべての事象がつながっていないと思いますが、これから徐々に消化して、自分の糧にしていってください。

私と萩谷先生が一緒にいる価値というのは、「自然を多面的に(生物学的観点・地学的観点で)見ることができるようになること」。こんな贅沢な実習は、他の大学にはないと自負しています。
今回の実習で、本当にそれを強く感じました。地学に興味のある人も、生物に興味がある人も、それぞれは単独の事象ではなくつながっている。それを包括的に眺めることで、わかることはたくさんあると思うのです。

離れてみるとありがたみも倍増、ですよね、萩谷先生(^_-)☆(ありがたみを初めて認識したのではないですよ。)


3か月後、また日常生活の中でみなさんとお会いするのを楽しみにしています。
Muchas gracias, Hasta luego!

2011年6月10日金曜日

実習実況中継(7)

*実習7日目(Junio 8 Miércoles)
各自興味のある島へのデイクルーズ(1)

--Baltrome:
サンタクルス島の雨影効果によりほとんど降水のない島。風による浸食がメインで植生もほとんどない。
<各自研究課題>
WT君:アシカの行動生態
HF君:海水温の測定、海中環境の観察
TF君:植生

--Floreana:
ガラパゴス諸島で最も古く入植した島。高地には岩屋跡があり、高木スカレシア林が広がる。
<各自研究課題>
TI君:卒論で扱ったフロレアナのヤドリギを車窓から観察。
YM君:飼育されているゾウガメについて(フロレアナ亜種は絶滅している)
RH君:植物

19:00 ミーティング
各自のテーマについて発表し、同じ日の天気が違うこと(フロレアナは雲が出て湿潤だがバルトロメはカンカン照り)、陸上生態系の違いなどを共有し、それが島の配置や風向き、標高などによる環境の違いであることを認識することができました。

20:30 夕食
22:00 解散

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*実習8日目(Junio 9 Jueves)
各自興味のある島へのデイクルーズ(2)

--Seymor norte:
空港北側の平坦な島。アオアシブービー、グンカンドリの営巣地。本来リクイグアナはいなかったが空港建設の際にバルトラから移入したため、幹を持たないサボテンとリクイグアナのミスマッチな光景が見られる。
<各自研究課題>
WT君:海岸の砂の組成、地形形成、枕状溶岩
HF君:セイモア島の気候、植生
TF君:アオアシカツオドリ
RH君:グンカンドリ

--Santa Fe:
サンタクルス島南東に位置する標高200mほどの平坦な島。サンタフェ固有リクイグアナ、ギネスにも載ったウチワサボテンが見られる。
<各自研究課題>
YM君:イグアナ、ウチワサボテン

18:45 ミーティング
20:00 Isla Grillにて打ち上げ。
豪華に食べすぎました!
23:10 解散
いよいよ今日でガラパゴスでの実習は終了、明日は朝から大移動です。まだまだ元気ですが、疲れ気味なので気を抜かずに行きましょう。

Hasta mañana!

2011年6月9日木曜日

実習実況中継(6)

実習6日目(Junio 7 Martes)休息日?

5:00 起床
5:20 ホテル出発
5:30 港到着
6:00 船出発。海流の向きを身を持って体感する。行きより激しい揺れでも漂うよりはマシ…

8;00 サンタクルス島プエルトアヨラ到着。
今回はガス欠にならなくてよかった…

8:30 ホテル到着、いったん解散
13:00 昼食(Galapagos Deliにて)

14:20 解散。各自のんびり。
TF君は全身「ガラパゴス仕様」に変身。
萩谷先生と一部の人でダーウィン研をゆっくり訪問。
YM君、TI君は再度標本庫を訪れ、各自興味のある標本をじっくり観察しました。
YM君「実物を見なかったら”ふーん”て感じだけど、見た後だと感動が違いますね!」
TI君「うーん、やっぱり島ごとに形態変異してるとは言いにくいなぁ…」

18:00 翌日のデイツアーの確認のため再集合。
19:10 Kioscoで有名なCocadoのお店、Williumsへ。うまかった…
21:00 夕食後、おいしいコーヒーを飲みにIsla Grillへ。途中、夜しかやらない土産物露店へ寄る。RH君、イカのぬいぐるみにハマる。
せっかく行ったがなぜかコーヒー一切ないと言われ…;
萩谷先生はこの世の邪悪を忘れるために南米で中米のお酒テキーラを飲む。
「昼間にリュウゼツラン(テキーラの原料)の花見ちゃったんで…いやー、一生に一回花を咲かせてみたいもんですね!」
※リュウゼツランは成長点が1か所しかなく、数十年生きる最後に花を咲かせて枯れてしまう。

22:10 解散

明日、明後日は各自興味のある島へのデイクルーズになります。
夕方の報告が楽しみです。

Hasta mañana!

実習実況中継(5)

実習5日目(Junio 6 Lunes)

7:00 起床、朝食
8:00 岩礁Las Tintrerasへ動物の観察へ出発。
…のはずが、港(徒歩15分)へ着くまでにあれこれひっかかり、到着は9:00…もちろん熱心なのはいいことです!

9:00 ボートへ乗り込み、いざ出発。
船の上からペリカン、グンカンドリはもちろん、アシカ、ペンギン、アオアシブービー、ウミイグアナ、などなどを観察。
その後、岩礁に上陸し、ネムリブカ、イグアナの巣、採餌の様子などなどをみることができました。そしてAa lavaにくっつく白い地衣類たち…既に生物がすみ始めています。

グンカンドリに狙われて逃げるウミイグアナ(幼体)がこちらに向かって走ってきたり…アシカがスノーケルをしている人に絡んで来たり…動物園ではなく「生きる現場」では、いろいろな生態をみることができ、みなさん大満足の様子。

12:00 かなり予定より遅くなりながら港到着。本当はスノーケルタイムもあったはずが…泳ぎたい人だけ、お昼ご飯返上で遊びます。

14:00 イサベラ島乾燥低地の観察。
-El Mango
低地を一望できるMiradorにのぼり、地形と大まかな植生の観察。途中、TI君の卒論テーマだったヤドリギを観察。論文に書かれていた疑問点をルーペで観察します。

-Aeropuerto
図鑑には記述がないが標本で見たので聞いてみると、案外あっさり「見られるよ」というヨウガンサボテン。
空港で車を止め、滑走路を歩きます。

Pahoehoe lavaが広がるところまでたどり着いたところでガイドさん「でも、場所忘れました…」…「よーし、捜せっ!」
カメラの望遠レンズ、双眼鏡を駆使して皆で走り回り、めでたくヨウガンサボテンを見ることができました。これでガラパゴス固有サボテン3種、全制覇です。(中央にヨウガンサボテンがある)

-Breeding center
時間が押しに押してしまい、猛ダッシュっで向かいます。ビジターセンターで、ゾウガメを繁殖飼育している理由(もちろん外来種によるさまざまな生活環境の悪化)などの展示を見てから、実際に飼育場でカメの観察。

17:00 本日の日程終了、歩いてホテルまで向かう途中にも、あれこれ観察する対象がありなかなか進みません。

ガイドさんは私が持っていたルーペをしきりに欲しがります。野外で本当に細かい種子などを観察するには必携なのです。お役にたてて幸いです。

19:00 ミーティング開始…3人が終わったところで夕飯タイム。
20:00 イサベラ最後の晩餐。おいしいお肉とポテトでした~。
21:30 後半の発表。
22:20 終了、解散。

明日は5時起きです!
だいぶ詰め込み駆け足でみなさん疲れがたまっているようです…

Hasta Mañana!

実習実況中継(4)

実習4日目(Junio 5 Domingo)
---Volcan Sierra Negra

7:00 起床、朝食
8:00 ホテル出発。
Chivaというオープンなバスで、乾燥低地→農業地域→湿潤山地へ移動。サンタクルスと比べてイサベラでは酪農が盛んです。日本の固有種アジサイがきれいに咲いていました…;(もちろんここでは外来種)

9:00 シエラネグラ到着、観察開始。
観光客ではないのでナチュラリストガイドにゆっくりと歩くのをお願いしていたため、かなり充実した観察となりました。そして…自然科学科恒例の「フィールドワークに必ず雨」ジンクスはここでストップ。誰のおかげか(!?)ちょうどよい具合に曇り、カルデラはばっちりみられるけどカンカン照りではなく、快適な天気でした。


固有種があり(Darwiniothums;固有属)、外来種もはびこり、
 
いろいろな色・形の地衣類(Lichen)が樹木を覆い、
火山地形も存分にみられ…、

いろんな意味で「ガラパゴス」のイメージが覆ったと思います。これはクルーズなどで通り過ぎてしまう人には絶対にわからない経験。ぜひ自分の頭を整理して、見た事実を正確に理解してほしいと思います。

13:30 眺めのいいところで昼食。
14:30 火山の南斜面(湿潤)から反対側付近まで来ると、乾燥して植生が変わるのが見られます。南斜面からは雲がもくもく。そろそろ引き上げないと。
16:00 登山口入口まで帰着。
17:00 ホテル到着。

合計14キロ程度を踏破しました。
Cansada!

18:30 夕食へ。
21:00 ミーティングは明日に回して、本日解散。

Hasta mañana!

実習実況中継(3)

実習3日目(Junio 4 Sabado)
---Isla Isabelaへ出発。

9:00 check out, 荷物を預けてサンタクルス島低地林の観察へ。
…の前に、道端で大統領の演説を聞く。スペイン語なのでさっぱりわからないけど。

9:50 Laguna Las Ninfas マングローブ植生の観察
マングローブとは汽水域に生育する植物の総称で、いろいろな種類があります。ガラパゴスでは4種のNativeマングローブを見ることができます。世界中の熱帯・亜熱帯地域に広く分布→海流散布なので固有化しにくいのですね。

10:25 大統領演説のせいで?JICAの展示施設が閉まっている。予定外!
3月4月の海水温データが掲出されており、海流の影響に興味を持っているHF君が一生懸命メモを取る。

10:50 Tortuga bayまで植生を観察しながら歩く。
途中、巨大なウチワサボテンにびっくり。さて、何年物でしょうか?

12:50 街まで戻り、簡単な食事(at Galapagos Deli。そのあと船に乗るため)

14:00 イサベラへ向けてボート出発。順調に進んでいると思いきや…
15:40 「残りあと10分」と言われたとたん、エンジン停止。波に漂う………かなりの確率でSea sick続出…。。。
16:40 救援の船がガソリンを持ってきてくれてようやく始動。
17:00 Isla Isabela, Puerto Villamil到着
17:10 Hotel到着

17:45 街の付近散策。フラミンゴ観察。

18:50 一旦ホテルへ戻り、再度夕食へ(くたばっていない人のみ)
こちらでも大統領が講演中。同じ軌跡をたどっているらしい…
21:00 解散。

明日はいよいよシエラネグラ火山。
Buenas noches, Hasta mañana!

2011年6月4日土曜日

実習実況中継(2)

実習二日目。(Junio 3 Viernes)
今日はサンタクルス島湿潤山地の観察です。

8:00 集合。Parte altaへ出発。
の前に、なかなか開けられなかったドアのカギを、折るという事件発生…これまたさすが、力持ち自然科学科。

途中の道端には自転車軍団が。なんでも本日ガラパゴス視察のコレア大統領は、バルトラから街まで自転車で走破するとのこと…すごい。
(化石燃料ゼロへ向けてのアピールだと思われるけど、それにしても大変な距離&標高差ですが…)

9:00 Los Gemelos到着。散策開始。
火山地形の一種である陥没穴前で、若干地学の話もできて生き返る萩谷先生と、それを取り囲む学生さんたちの姿がみられました。(よかった(^―^))
もちろん、ガラパゴス固有属のスカレシア高木種を間近で観察できたし、標高による植生の変化もしっかりとみることができました。

11:00 Primiciasのゾウガメファームへ。
ここでは野生のゾウガメを見ることができました。
YM君が特に着目している課題なので、真剣にメモを取ります。

12:40 Lava tubeの見学。アドベンチャー。
HF君「自然科学科に入ってよかった~」

13:00 Bellavistaで昼食。その後、農業地域の散策。
15:30 街まで帰還。ミーティングに向けて各自課題に取り掛かる。
18:00 ミーティング。昨日今日の成果について、一人5分で発表、5分で質疑応答をおこないました。短い時間でよくまとめました。お疲れさま。
19:30 夕食
22:00 解散。

明日はイサベラへ移動です。
Hasta mañana !

2011年6月3日金曜日

実習実況中継(1)

本日、ガラパゴス実習スタート!(Junio 2 Jueves)

12:00 バルトラ空港到着
13:30 プエルトアヨラ到着
14:20 ダーウィン研へ向けて散策
15:15 ダーウィン研到着(!)

みなさんいろいろなものを観察しながらなので、1時間近くかかりました。さすが自然科学科の学生さんです(^-^ )

 ・標本庫の見学(ダーウィン研植物部門Pattyによる講義)

 ・Native garden projectの見学(ダーウィン研インタープリテーション部門Martaによる説明)
 ・ゾウガメ、リクイグアナ飼育施設の見学
18:10 ガラパゴス諸島に関する講義(ナチュラリストガイドVicky)
お疲れ&時差もあるのに、みんな真剣にメモを取りながら聞いていました。
19:30 夕食
21:30 解散

明日はParte altaの実習です。固有種がいろいろとみられるはずです。
Hasta mañana !

PS. 萩谷先生、学生さんたちのご尽力でたくさんの救援物資が届きました!これでしばらく日本の食べ物に飢えなくて済みます。どうもありがとう(o^-^o)
「Title:食料品タワー」

2011年6月1日水曜日

サボテンの話。

¡ Hola !

ダーウィン研では在来種の苗を作って頒布し、在来種で自分の庭を創ろう(Native garden project)という試みを展開しています。これまで派手な花をつける観賞価値の高い植物を庭に植えていましたが、そういうことを継続しているといつのまにか野外へ逃げ出して、目立たない在来種の生育を脅かすためです。

さて、在来種の中にはもちろんあの「サボテン」も入っています。植物部門の研究者、パティとアンが、このプロジェクトの担当者。彼女らの机の上には、大事に育てているサボテンの実生が載っています。

「これ、何年もの?」
2001年に種をまいたの(右)。もう10年ねー」
こんなに小さいのに、もう10年も生きている。ものすごく成長が遅いのがわかりますね。
これはハシラサボテン。1年で約1㎝しか伸びません。ウチワサボテンはもうちょっと早くて1年に約3㎝…。それでも想像を絶する成長の遅さです。

「花をつけるまで80年くらいかな。みんな、外で見てるのがこれだけ大きくなるのにどれくらいかかっているか、想像できるかしら?」と話すパティ。
以前サンクリストバルで見た。落書きされたウチワサボテンを思い出して心が痛みます。

ちょっと気になって聞いてみます。「ヨウガンサボテンは?」
「もっと遅くて、0.5㎝くらいなかぁ…」
…やっぱりごめんなさい。ものすごい破壊を、何十年分もの破壊をしてきてしまったようです。そりゃそうだよなぁ。あんな土も養分も水も何もない、灼熱の溶岩に生えるんだもの。

「これはもう、私の子供よ!」とサボテンをかわいがっているパティ、これから何年ごとかに成長記録の写真を送ってくれるそうです。
でもおっきくなったらトゲトゲで痛いよ~?とからかう私に、それでもいいもん!と愛情たっぷりの様子でした。

人間も、同じかもしれませんねえ…小さいうちはかわいいけど、…(後略)。

PS.今日ガラパゴスのTVチャンネルを見ていたのですが、これまであまり注目されていなかった外来種アフリカマイマイ(有害動物指定:植物検疫法で現在は生息域以外に移動することは禁止されている)の蔓延が深刻らしく、ついに駆除に向けて動き始めたようです。日本でも沖縄などで死亡例も出ており(広東住血線虫が寄生している可能性があり、これがヒトの体内に入ると重篤な症状を引き起こす)、ここではゾウガメへの被害が出ているようです。やはり外来種というのは、元々の生態系への影響も大きいし管理も大変だし、いいことなしですね…。

¡Chau!