2011年3月6日日曜日

フィールド調査in FLO(4)

今日はParte Altaへ向かいます。朝8時、約束の通りホテルの前で待っていると、やってきました、PNGの公用車、の荷台に人がたくさん。マイラもいます。キャビンに乗れ、といわれていざ出発。いやー、楽しそうだから荷台でいいのになあ。

車は乾燥した砂ぼこりの道を一路、山の方へ向かいます。窓の外にはさっそくPhoradendron。なかったら帰りにここでとればいいや、と思っていると風景が変わりました。湿潤になって緑が生え始めます。農業地帯をごとごと超えて、終点、Asilo de Paz。マイラはずんずん進み始めました。たぶんさっき通り過ぎたCerro Alielliの方が標本多く取られていると思うけど?
…彼女についていくと、とってもへんな地形の丘へでました。溶岩が風化して壁状になっている間を進みます。

おもしろーい。どうしてこんなになったのかなあ。変な植物もちらほらいます。アナナスの仲間、これそのうち食虫植物に進化したりして。ぐるりとルートを回ると、岩屋の跡が沢山出てきました。そうか、この島はガラパゴス諸島で一番はじめに人が住み始めたといってましたが、今ある乾燥した港の集落ではなくて、自給自足できる湿潤な高地に定住したのですね。おっと、岩を掘って顔のモニュメント。やさしい顔立ちです。

下っていくと、今度はガラパゴスゾウガメの保護地域がありました。ここのゾウガメたち、今まで見た中で一番穏やかな顔立ちをしています。なんか「フロレアナ」のイメージにピッタリです。…でも、本来のこの島のゾウガメはすでに絶滅しており、ここでは(おそらく近縁の)イサベラのカメを導入しているらしい。絶滅した理由を思うと、いつもとても複雑な気分になります。何の抵抗もしないこのカメを、食料として絶滅するまで食ってしまった人間。非意図的であるとしても、他の生物を持ち込んで間接的に絶滅させた人間。自分がその地球最強の侵略者の一味であるという事実…。

さて、まだ植物はとれていません。今日はできたら4種、でも正確に記述があるのは2つなので、まあぼちぼちいきましょう。ここから街に向かって下ります。
あっというまにPhoradendoron。でも他の島では至る所に出てきたP. suberosaがまったくありません。ようやくP. suberosaを見つけるも、ほんのわずかな区間でなくなってしまいました。広く分布していると思っていたのですが、環境によるすみわけをかなり厳重にしているようです。

かわりに歴史が古いからなのか、かなり外来種が道端に出てきています。
ハデハデなイモムシがいたり…
マイラの仕事場、山の圃場でグアヴァをもいで食べながら歩いたり…これって動物散布なのでは…
くす玉のようなきれいな外来種の豆をみつけたり…
たくさんたくさん寄り道をしてながら、完全に枯れ果てた道路までようやく降りてきました。

あまりにもカラッカラ過ぎて、やっぱり緑の茂る季節を想像することはできません。この先対象種があるとは思えなかったので、通りがかりの満員のツーリストのバスに拾ってもらい、ほっと一安心…なのもつかの間、希望通りにバスの後ろについている荷台によじ登ったのですが、ものすごい砂ぼこりで、どのタイミングで息をすればいいのかもわからないくらい。梯子を握りしめて立っていても、手以外どこにも接触していないほどのジャンプ!そして着地。巻き上がる砂で目もあけていられない始末。。。ごめんなさい、荷台ナメテマシタ。カメラもGPSも、荷物にも自分にも全てに砂が堆積し、ようやくわずか2キロの移動が終わりました(まだ目が痛い)。

しかし今日といい昨日といい、この島は本当に面白い。マイラ、ありがとう!今度は緑が茂ったら来るね。Physalisとりに…その時の風景が、ほんとに楽しみです。

PS。「1週間電話線が死んでても、誰も困らない謎」の答え。
1)島の外からの用事がある人は、携帯を持っている。島の中にしか用事がない人は、連絡はすべて無線機。=固定電話はイラナイらしい…
2)この島では、夕方4時から夜中の12時までしか、発電していない。昼間はならないんじゃない?

PS2.
帰りの船はまたツーリストボートの空きに乗せてもらうわけで…13時に港に来いというので12時半から待っていたのですが、待てど暮らせどくる気配がありません。私の隣でペリカンが、座り込んで目を閉じて寝だしても、まだくる気配がありません。結局3時間ほど炎天下の港で船を待ち続け、ようやく帰ることができましたとさ。もうイライラもしなくなってきました。爬虫類になれるのもあともう少しです!?

ペリカンは瞼が下から閉じる。そういえば爬虫類もだ。いつから、そしてなぜ上から閉じるようになったんだろう???

<FLO採集記・完>

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