2010年10月21日木曜日

フィールド調査in SCZ(2)

―フォラデンドロンの話―

次に来たのは、空港から山を越えて街まで横断する道路の途中、Los Gemelosという場所です。ガラパゴス諸島は火山島なので、あちこちに火口やLava tubeがあります。ここは火山活動をしていたころにガスが抜けて陥没してできたといわれています。


ギアナ高地並みの絶壁!(見たことないですが)のヘリ沿いに、散策路が設けられています。標本庫で標本を見ていた時に、ここの地名は何度となく出てきました。ここでは何が採れるのかな?


すぐにJoséがみつけてきました(さすが!)。次の対象種はヤドリギ。そう、他の木に半寄生して、自分でも光合成をおこなうちゃっかり屋さんです。

ヤドリギ(Phoradendoron henslovii)はConservation statusこそLCですが、寄生するにもいろいろと条件があるのですぐにみつかるわけでもないちょっと珍しい植物です。
私は自分が変わり者なのもあってか、植物でも「変わったヤツ」が大好きです。大学院時代に食虫植物をやっていたのも、植物にしては変わった生き方をしているところに惹かれたのかもしれません。そういう意味では、ヤドリギもそれに並ぶ不思議な植物なので、以前から興味を持っていたのです。

ガラパゴス諸島の植物に関しては、日本にいる段階で入手できる一般向けの簡単な図鑑以上のインフォメーションはありません。実際に見てからでないとどうにもならないという感じなのですが、ヤドリギに関してもここで初めて、種子は日本のヤドリギと同じ鳥散布であることがわかりました(葉の形状はオオバヤドリギに近い)。11の島に隔離分布するので、なにか面白い結果がでるのかでないのか
あれこれ仮説を考えてるときが、一番楽しいんですよね。

つづく。

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