2011年1月16日日曜日

フィールド調査in SCB(3)

朝…
8時の約束に間に合うようにちゃんと起きたし、朝食も買っておいてあったのに。
起きてみると非常事態でした。壁を伝って無数のアリが、私の朝ごはんに群がっている…(泣;;)
うっかりしていました。それくらいのことは想定していなくてはフィールド屋失格です。

時間よりも早く来たJefelysに早く早くと急かされながら、アリのお好みではなかったパンをかじりながら車に乗り込みます。今日はかなり期待できる日程です。

まずは海岸沿いのLoberiaへ。ここでは海辺のトランペット(Exodeconus miersii)を無事に採取。
公園職員でもあるJefelysは、落ちているごみを拾いながら、あっという間に対象種を見つけます。たぶん微妙な葉の緑色の違いを遠くから認識して判断している様子…出だし好調です。

次に、ガラパゴス諸島唯一の淡水湖、El Juncoへ行きます。標高が上がるにつれて霧が出始めました。そう、サンタクルス高地と同じような風景に変わっていきます。しばらくすると、道沿いにもあのミコニアが点在し始めました。
前述のようにミコニアは、サンタクルス島とサンクリストバル島の高地にのみ生育する固有種で、ここサンクリストバルでは天然林と、放牧地跡などを復元した植栽林(約20年経過)の両方があるそうです。…ということは?両方の遺伝的多様性を調べたりすると面白いかもしれませんね?
というわけで、公園職員Jefelysはこの辺りの事情にも詳しく、きちんと天然林と植栽林の両方から、サンプルを調達することができました。
これでミコニアのサンプリングは終わりです。解析の計画でも立てることにしましょう♪

霧にまかれて、残念ながらEl Juncoの写真は撮れませんでした。晴れていれば風力発電の風車も見ることができたようです。この淡水は、生活水として利用されているのか?この風車で作られた電気はどこで何に利用されているのか?聞きたいことが沢山あるのですが、スペイン語が不自由でなかなか解決しません。文字通り、「言葉の壁」です。こまった。

それと、、、環境条件がこんなにも似ているのに、なぜここにはPernettyaがないのでしょうか、、、?
こういった現象はかなりたくさんあるらしく、まったくもって理解不能です。もちろん島が海によって隔離されているから移動が困難、というのはわかります。それがむしろ進化の原動力であったという話は、私自身授業を通してよくしゃべっていることです。でも1つの島でかなり広く分布している種が、隣の島で全くないというのは、どういうことなのでしょうか。氷期には完全につながらないまでも島間の距離は縮んだはずですし、鳥が食べて散布することも、近い島同士なら可能な気がします。
真実は小説よりも奇なり…。。。
その真実を解明するのが、私の仕事なんですけどね。

つづく。

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