2011年1月6日木曜日

フィールド調査in SCB(1)

今日からは、もう1つの居住地域がある島、サンクリストバル島へのフィールド調査のお話です。

そのまえに…
もともと船はこの世の乗り物で最も苦手なのですが、実際それを交通手段とする以外に方法がないというのは、想像を絶するものがあります。数々の命を懸けた経験の積み重ねで、大丈夫かどうかのぎりぎり境目で生還するという荒業を身につけたのですが、いつも同じ状況にあるわけではないので難しい(座る位置とか、体温調整とか、風による疲れとか)。

今回、行きはキャビンで激揺れ、あちこち打ち付けて打撲(波頭からの大ジャーーーンプってやつです)、帰りはその教訓を生かして外にいたのですが、時折頭から波をかぶり、果ては沖(っていってもここは太平洋の真ん中)でエンジン停止。波間に漂うとすぐに酔うので、停止しそうになった瞬間に首に巻いてたタオル(これも命がけの結果身についたエクイップメントの一つ)で呼吸器系をガード(まずはオイル臭いので酔う)、続いてポケットに常備している酔い止めを口に放り込み、ベルトを緩める。周囲ががちゃがちゃしだすころには石のように目を閉じて寝たふり。これでどうにか修理が終わるまで持ちこたえました。。。いやー、もっとかかるかと思ったよー。早かった。

…そんなこんなでおかげさまで毎日、エキサイティングな経験をさせていただいております…

ほかにも風化した溶岩台地を歩くのは連続2日が限界のようで、注意力が散漫になって危ないし(あとで書きます)、

基本乾燥地なので攻撃的な植物が多く、
刺し傷切り傷擦り傷打撲と、軽傷のオンパレードです。今回あとあと考えると結構危ないこともあったのですが、ま、終わってみればお湯がしみる程度なのでまあいいや、ということにしておきます。痛いのも生きている証拠さ。

そう、これが「フィールドワーク」ってものなんです。
フィールド系研究者と話をしていると、どこでどんな体験をした、という話で盛り上がってしまいます。だからいざ目の前に大きな難問が立ちはだかっていても、どうやってネタにしてやろうか、と挑戦的に考えてしまう人が多いような気がします(笑)。

でも同じ人生、どんな状況でも楽しめてしまうんだから、いいですよね。そして得られた教訓や経験て、ぎりぎりの体験だからこそ記録も残せなくて、その場にいないとわからない自分だけの貴重な武勇伝になったりするものです。そうやって新しいこと、まだまだ知らないことに一つずつ挑戦できるから、この仕事、楽しいなあと思えるのかもしれません。

というわけで、独り言みたいになってしまいました。
つづく。

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