2011年8月6日土曜日

再・フィールド調査in FLO

さて、2度目のフロレアナ。目的はただ一つ、ホオズキです。前回行ったときに枯れ果てたものを見つけていたので、すぐにサンプルは見つかる予定です。
いつもに増して大混乱(突然「今日からこう決まった」とか言ってくるんですよ、国立公園が…)ののち、フロレアナに降り立ち、宿と食事と水の確保(100人しかいない村なので食事できるところは貴重。同行者を飢え死にさせないのも調査責任者の仕事らしい。何のためにアシスタントを雇っているのだろう…)をして、ぶらりと採集にでかけました。

すると、、、私たちのあとを、とことことくっついてくる人が。
一人が遅れると、立ち止まって振り返り、待っていてくれます。なんて賢いんだ、このアシスタントは。

ホオズキ考
しばらく歩くうち、ふとしたことに気づきました。
10角形の在来種agulataは今が盛り、とばかりによく茂り花をつけ実もごろごろなっていますが、5角形の固有種galapagoensisは葉っぱは虫に食われてほぼ全滅、花は終わって実がなって、しかも果実も虫に食われて空の袋だけ。そして本体はすでに枯れかけている…という状況。
左:Physalis angulata(在来種)、右:P. galapagoensis(固有種)

つまり;
雨季になって先に葉が展開するのはgalapagoensis、するとちょうど雨季になって一気に発生した虫によって葉は食害に遭い壊滅状態に陥る。せっかくつけた実も、中身をほとんど食われてしまう。少し後で葉を展開するangulataは、すでに昆虫のピークを過ぎた後か、他の植物もたくさん茂って食料が豊富になってから葉を茂らせ、実もちゃんと成熟するまで成長させることができる。
ではgalapagoensisがなぜそんなリスクを冒しながらも早い段階で葉を展開しなければならないのかというと、たぶん他のものが茂り始めてしまうと発芽・成長ができないから。光合成能力が低い?光発芽種子?それと同時に、同所的に生えているgalapagoensisangulataは、こうした季節的棲み分けによって、交雑を免れているのかもしれない。花や果実の「中間型」は存在しなかったような気がする。だから今はそんなに深刻に個体数が減少しているように見えないけれど、外来種が入り込んでこのサイクルが崩れると、あっという間にgalapagoensisは生態的においやられてしまうことが予測できる。
…とまあ、人が住んでいる島はさすがに無人島ほど過酷ではない(じゃなくて逆。過酷だから無人島であり続けた)ので、フィールドで現物を見ながらあれこれ考えられて良いです。

物価と競争原理
さて、、、しかし人口100人の島というのは長閑でいいのですが、うんざりすることもあります。
人口が少ない、来る人も少ない、商売も限られている、物資も限られている、となるとどうしても競争原理が働かないのです…サンタクルスなら10$で泊まれそうな宿が1140$、サンタクルスでは昼ごはん4$もあれば食べられるようなものが10$、ペットボトル500mlの水が1$(サンタクルスではレストランで注文して1$かな)、まあここまではちょっと我慢して許します。物資の輸送は大変だしね。
でも、ここから先が許せない。
同じ店で同じものを買ったとき、会計する人によって値段が違う。おばちゃんに水3本で3$と言われていたので払っていたら、最後に応対したお姉さんのときは2$だった!
なんか、信用できないっていうか。もう絶対来てやるもんか、と思うんだけど、そこしか店がないからしょうがない。これがとても悔しいのです。
競争原理万歳!資本主義万歳!

そんなこんななフロレアナ…これにて完了!

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