2011年7月13日水曜日

フィールド調査in ESP(3)

パロサントの反撃
パロサント(Palo Santo, 聖なる枝、Burusera)はガラパゴスの植生の象徴的な1つともいえるほどComonな樹です。ガルア季の間はまったく葉を落として白い枝がまるで枯れ果てたかのように山を覆っていますが、雨季の間だけ、青々とした葉をつけています。

この樹、よく藪漕ぎをする時に折ってしまったりするのですが、奴らは黙っていません。
ここにきて、これまで10年来特に支障なく使ってきた装備が、ここまで汚れちゃしょうがないな~的なものになってしまいました。パロサントの反撃です。パロサントは芳香の油を含んだ樹液を出すので、それが至る所にシミをつくり…ああぁ。これ、どうやっても落ちるようには見えません。ま、いっか。作業着だし。


トレッキングシューズ

トレッキングシューズだって大変なことに。
ガラパゴスに来る直前に買ったはずの夫のトレッキングシューズ。エスパニョラから帰ってきたらこんなになってました。靴底は熔けて、力がかかる部分のパーツがちぎれてなくなってる!?すごい、さすが鬼の洗濯板です。こんなに靴がすぐにダメになる場所、聞いたこともありません。あらためて靴って大事だよなぁ、と思うのでした。


トリダクティ。

エスパニョラにはどうしてもほしかったパッシフロラの仲間、P. tridactylitesがいるはずです。エスパニョラ島東部に上陸し、目玉焼きになりかけながら歩いていくと、そこには目的のものが…

多賀君(もうブログ見てないかなぁ)、これってすごくない?これは誰がどう見てもtridactylitesだよね?suberosaと同種なんかじゃないよね???
…卒論データをもう一度精査しなおして、何とかやってみます。今回は花も取れたし!花もちょっと違う感じがするのですよ。

そんなこんなでとりあえず無事に採集は終了しました。
「ね、Albatrosってどこにいるの?」「あっち。」
…取りつくしまもありません。あわよくば春分の日を境にエスパニョラ島でのみ営巣するガラパゴスアホウドリを見せてもらってから帰ろうと思ったのになぁ…
ま、しょうがない。(実はそんなに体力残ってもないし…)撤収~。

サンタクルスまでの3時間、ほぼ全部爆睡してどうにか持ちこたえました。それにしても風化の進んだ島は、本当に危険がいっぱいです。あとどれくらいしたらあの島は、海底に沈んでいくのでしょうか?そのとき、Albatrosたちはどうするのでしょうか?サンクリストバルに営巣地を移動するのかなぁ。

それにしても赤道の殺人的な紫外線&赤外線、命がけのフィールドでした。 

ESP採集記・完>

2 件のコメント:

  1. 携帯から失礼します。

    写真見させていただきました!!
    suberosaと同種っていう話が出ることすら
    おかしく感じますね(^_^;)

    花も採れたということで、結果がどのようになるのか
    楽しみです。

    厳しい環境での作業ですが、身体には気を付けて
    頑張って下さい!!

    日本から応援してます(^-^)

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  2. この2種については本当に悩ましくて、この前ピンタで見たのは、葉がsuberosaで花がtridactyというもの…
    うーん???交雑?

    まだまだ迷宮です。。。乞うご期待!?

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