2011年7月8日金曜日

フィールド調査in ESP(2)

目玉焼きができる!?「鬼の洗濯板」溶岩

エスパニョラ島は諸島の一番東のはずれ。つまりもっとも成立年代が古く、約500万年前にできたとされる島です。標高は200m程度なので、風上側ですが雲が湧かずに雨もほとんど降りません。足元に広がるのは、風化してとても攻撃的なエッジが立っている溶岩。手をつくと突き刺さります。かすっただけでひどい擦り傷です。まさに「鬼の洗濯板」とでも名付けられそうな様相。…しかも太陽に照らされて目玉焼きができそうな温度になっています。これは転落でもしたら即OUT!慎重に一歩一歩踏み出すも、照りつける日差しでやはり意識が朦朧としています。。。
肩から滑り落ちた一眼レフのフードが、岩にヒット!深刻なダメージはありませんでしたが、えぐれたような傷が残りました…


不思議そうに覗き込むマネシツグミー「警戒心の欠如」

ふと気づくと、不思議そうに私の顔を覗き込む人が…
エスパニョラのマネシツグミは、それこそダーウィンの時代から好奇心が強く人に寄ってくることが報告されていました。どの島より近く、手を伸ばすと乗ってきそうなところからこちらを眺めています。実際に人の帽子に載ってきたり、ひもやボタンをつついたりすることもあるそうです。
ダーウィンはこれを「警戒心の欠如」と指摘しました。警戒心がなくては生存に不利なはずなのですが、もともとその環境に居なかった対象に対しては長年経っても警戒心を持つことがない、ということだそうです。もともとガラパゴスの動物たちは人間をそれほど恐れません。法律に守られていて人間に傷つけられたりしたことがないからだと解釈していたのですが、これは経験に基づくもので、遺伝的なものではありません。ダーウィンの指摘していることはむしろ遺伝的というか、本能で警戒心を持たないことを意味しているのだと思うのですが、どうなのでしょうか。動物の先生、お願いします。


フィンチのヒナ囀る・アオメバト岩を歩く・イグアナ泳ぐ

この島も、人は長期のクルーズで一瞬寄るだけしか認められておらず、しかも上陸地点はこことは全く別の場所です。つまり研究者以外ほとんど人は入ってないわけで。
生まれたばかりのフィンチのヒナ。まだ目も見えず、親が餌を持って帰ってきたのと勘違いして鳴き始めました。

アオメバトは、焼けた溶岩の上を素足で歩いています。なんでそんなことができるんだろう。よっぽど丈夫なのかなぁ。
そしてイグアナが泳ぎます。ぜひダイビングで、イグアナが食事をしている風景を写真に収めたいなぁ…と思ってしまうわけです。

それにしても紫外線がきつくて暑すぎて写真を撮る余裕もなし。1歩を踏み出すだけで精一杯。その1歩が繋がっているからたまたま「歩いてる」んだなぁとぼんやり思ったりします。人生における毎日みたいなもんですかね。

つづく。

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