2011年7月21日木曜日

Estoy en el Herbario(2)

早々に困ったことがいくつか。


まず、外国人の書くアルファベットって読みにくい。知ってる単語なら見当もつくけれど、新種記載をしたことがあるなどかなり慣れている人以外には「文字の羅列」に見えてしまうラテン語の学名を探し出すのはなかなか大変です。


次に、植物学的に解説されている唯一の手がかりであるガラパゴスの本は1971年に出版されたものなので、その後の分類体系の見直しと学名の変更、それ以降に入ってきた外来種などは本を見てもわからない。


さらに日本人的にいつも和名を使ってしまうので、たとえばマメ科=FABACEAEとすぐに出てこない。おまけに使っている本はすべて英語かスペイン語表記。日本語なら容易に出てくる生物学用語が不自由…。

やはり世界で通用する方法で知識を集積しておくことは大事なのですねえ。

パティと二人、黙々と作業を続けます。時々パティが奇声を発するのは、探して観察して調べて比べて、何をしてもわからず、もうだめかと迷宮入りする直前に、特定できたとき。そういうときは顕微鏡をのぞきに行くと、嬉しそうに説明してくれます。たとえば…


普通に見るとこんな感じの植物。A or Bどっちだろう?となったとき…Aは「植物体のあらゆるところに花外蜜腺をもつ」と書いてある、ので顕微鏡をのぞくと…


おおおっ。蜜腺から出ていた蜜がそのまま乾燥している。まるで、小宇宙ですね。
そして、以前に採られた他の標本もこれが観察できたので、じゃ、これはA!ということになります。

こうやって作業を続けていくのですが、やはり簡単にはいきません。花粉の形を比較したり、毛の有無を調べたり、その毛の形態を比べたり…図書館へ行ってエクアドル本土や南米各国の植物図鑑を借りてきたり、ネットで検索したり海外の友人に論文を送ってもらったり…本当に地道な作業です。形態形質が少ないイネ科、カヤツリグサ科、シダの仲間なんかが同定できたときには、それこそ小躍りするくらいうれしい。へえ、よくみると結構種ごとに違うのねー。これまで「イネの仲間」「カヤツリグサの仲間」「シダの仲間」と一括りにしててゴメンナサイ。


どんなに一日頑張っても、せいぜい特定できるのは8つか9つ。そりゃあこれ、一人でやったら2か月かかるわなぁ…


つづく。

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