2011年5月8日日曜日

世界遺産へ:東洋のガラパゴス小笠原

【今日のトピックス】
世界遺産小笠原、多様な起源持つ生物がいる「海洋島」(毎日新聞57()1221分配信より)

 小笠原諸島(東京都)が国内4カ所目の世界自然遺産に登録される見通しとなった。大陸から隔絶された「海洋島」は、太古にたどり着いた生物が種の枝分かれをしながら世代をつないだ「進化の実験場」に例えられる。小笠原は江戸時代後期まで無人島だったこともあり、生物は開発から免れた。
 世界遺産の登録件数は現在151カ国・地域の911件に及ぶ。件数の増加に伴い、審査が厳格化している。海洋島の自然遺産では、ガラパゴス諸島(エクアドル)やハワイ諸島(米)が知られる。先行組との差別化が必要な厳しい条件下で、小笠原の価値が認められた理由の一つは、地理的特性から生じた。主に南米由来の生物が残るガラパゴスに対し、小笠原は日本列島やオセアニア、東南アジアなど多様な起源を持つ生物が混在する。植物やマイマイなどの陸産貝類、昆虫で面積当たりの固有種率が高く、同じ生物群の中での遺伝子も多様だ。
 課題は人や物の移動に伴う外来種対策だ。例えば小笠原の陸産貝類は100種の固有種が確認されているが、80年代以降に生息数の激減、絶滅が進んだ。父島では人間の靴底に付着して運ばれる外来種の肉食性ウズムシの影響とされる。
 観光が主要産業の小笠原にとって世界遺産のブランド効果は大きい。だが観光客が急増すれば環境に悪影響を及ぼす。ガラパゴスも、世界遺産の価値が危ぶまれる危機遺産に一時陥った。IUCNは小笠原での取り組みを称賛しているが、今後も外来種の侵入を水際で防ぐため、来島者への検疫など新たなルールづくりが望まれる。

――――――
いよいよ東洋のガラパゴス小笠原が世界遺産登録になる見通し。地元の方は比較的冷静で、ガラパゴスのように観光客の流入によって自然に負荷がかかることを懸念しているようです。
世界自然遺産登録第1号、いったんは危機遺産になりながらも何とか乗り切り、かれこれ30年以上も世界遺産を維持し続けている本場ガラパゴスでの様々な取り組みを参考に、小笠原を適切な状態に維持しながら末永く貴重な生物がみられる場所であり続けられるようにしていきたいものです。
小笠原固有種:ムニンツバキ(伊豆大島の植栽。2010.7.3撮影)

本場ガラパゴスで見たこと・得られた情報、何かの役に立つでしょうか。関係者の方、よろしければお声をおかけくださいm(_ _)m

0 件のコメント:

コメントを投稿