2011年2月1日火曜日

フィールド調査in SCB(6)

次の日。まだ見つかっていないものを探しにでかけます。

崖を降りたり上ったり、…ない。
ガラガラの溶岩が崩れたクリフの上やら、トゲだらけの植物やら、…ない。
目に飛び込んでくるたくさんの蜂の巣、…ない。

もう危険だらけのフィールドです。おまけに何もみつかりません。あらゆる意味で、これまでで一番厳しい場所でしょう。前二日間ですでに相当疲れているので、注意力も散漫になります。捻挫、擦り傷、切り傷、刺し傷、打撲、すべての「そんなに重症じゃない」ケガのオンパレードで、おまけに乾季の太陽は容赦なく照りつけてきます。

フィールドは連続三日が限界。疲れてきて注意力が落ちているのでこれ以上続けるのは危険だと判断し、諦めて今回の調査は終了にしました。

最終日の収穫は、最初に行ったLoberiaでも枯れ果てたPhysalisをみつけることができたこと。ここなら雨季になってから気軽に採集に来られそうです。(結構大きな収穫でした…)

翌日はサンプルの処理と、それでもまだあきらめきれない植物の捜索にふらりと出かけてみました。サンクリストバルには立派な国立公園のインタプリテーションセンターがあります。
ここでは島の成り立ち、地質学的・生物学的観点からの諸島の環境、ダーウィンの来訪、街の発展、歴史、文化、現在の水、食料、エネルギー、ごみなどの問題、自然保護、エコツーリズムと住民のかかわりなどについて、順を追って充実した展示がされています。
こういった系統だった教育・展示施設は、観光客にとっても住民にとっても非常に需要な情報になると思うのですが、残念ながらサンクリストバル自体に立ち寄る人は少ないですし、ましてやここまでわざわざ来る人はもっと少なく、生かしきれていないのが現状です。同じような施設をサンタクルスにも造ることはできないのでしょうか。サンタクルスではクルーズ船で周遊する観光客も必ず立ち寄るので、きっと有効に機能すると思うのですが…

それにしてもここにもあった、こういった心無いいたずら。
なぜ万物に対して敬意をもてないのか、呆れてしまいます。サボテンがこの厳しい環境でここまで育つのに、どれだけの歳月がかかっているのか思いを巡らすこともできないのでしょうか。なぜ自然を大事にできない人が、こういうところへ来るのでしょうか。不思議です。


最後に、湾が西を向いているこの地では、これまで一度も見ることができなかった美しい夕日を見ることができました。

明日も無事に過ごせますように(切実)。

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