*いざ出陣
今回は無人島なのでいつもよりも慎重な検疫が行われました。といっても、島にキャンプを張るわけではないので、まだまだ簡単なもの。24時間Quarantine roomに荷物を保管する必要もありません。これでいいのかなぁ、ほんとに…こっちが心配になってしまいます。
夕方6時。いよいよ無人島へ出発です。
ダーウィン研の備品のサテライト電話、無線機、上陸時の電気機器類保護用のドライバッグ、そしてマチェテを担ぎ港まで行くと(なんかすごく大げさに聞こえるけど、どれもみな緊急時に命を救う小道具ばかり!)、さっき打ち合わせたキャップがパンガで迎えに来てくれました。プロジェクトメンバーとして登録のある夫Shige、アシスタント学生のAdela、無人島の達人Novalinoとともに、「私が貸し切った」船へ乗船!(かっちょいい…)
船はゆっくりと動き出しました。夕暮れ、徐々に暗くなり、街の明かりが遠くになるころ…
私とShigeは早くもダウン、公共スペースの椅子に倒れこんで薬を口に放り込み、意識を失ったのでした。
薬が効き始めると、突然船の揺れが心地よくなるのね…とぼーっとした頭で思いながら…風が冷たくても窓を閉めるために起き上がることもできず…おやすみなさい。
ああ軟弱ニホンジン。分厚い数学の本を取り出して勉強を始めたアデラ、あなたを尊敬します…
*目の前に迫る山へ登れ
翌朝、8時。すでに13時間半が過ぎたころ。
本当はそのまま倒れていたいけどそういうわけにもいかないので起き上がってみると、静かな静かな、文字通り人っ子一人いないピンタ島が海の向こうにありました。
船で朝食を済ませ、いざ出発です。キャップの操るパンガで波打ち際へと向かいます。ドライなのかウェットなのか?我々がしっかり靴を履いているのを見てか、岩場にドライランディングを試みてくれました。が、とても危険…
とりあえず無事に上陸し、目の前の山を見据えます。ここは活火山。標高は635m。
どこまでいけるのでしょうか、そしてどの程度の成果が得られるのでしょうか。
それよりまずは、この遠く離れた無人島という希少性を満喫したい…
*いきなりオイスターキャッチャー
波打ち際の岩場に植物のかたまりが生えているのをみて、私はこれが自分のサンプルのうちの一つだということを直感的に判断しました。一人でよっていってみると、そこには確かにTrumpeta de orillaが。さっそくあったよー、と声をかけようと顔を上げると、
…視線の先で2羽のオイスターキャッチャーが私を見つめていました。
真っ黒な体に真っ赤なくちばし。「絶壁」と表現されそうなバランスの悪い頭の形。「American Oystercatcher」なので広域分布種かと思ったら、亜種レベルで固有なのだそうです。
むふ。かわいい。
お邪魔してごめんね。
つづく。
こんにちは!!
返信削除やってることがワイルドですいいですね-!!
野外調査法を受講していて,先生のブログ読んでいるとフィールドワークが本当に楽しみでしかたがありません笑っ
どうも、フィールドに出ていて気づくのが遅れましたm(__)m
返信削除今日は学籍番号じゃないのね。
フィールドの魅力は、多分やったことがないと絶対にわからない達成感、かな。目の前の動物や植物とじっくり会話しながら、彼らの「生き様」を聞き取り調査する感じ。
でも、自分の身を守ることができないと事故が起きます。常に危険予知をして、事故を起こさないように気を付けてくださいね。(ちょっと心配…)