2011年4月12日火曜日

$3,300の大冒険(1)

*そうだ、無人島へ行こう

ガラパゴス諸島には13の主要な島と、もっと小さな100以上もの島々が存在します。その中で人間の居住区があるのは4つの島だけ。他はすべて無人島です。
生物地理学的な研究を行うためには、当然ながら居住区がある島だけでは用が足りません。しかし無人島へ行くには相当の覚悟と煩雑な手続きと、お金が必要です。さて、どうしたものか…。

これまで居住地域を持つ島へのフィールド調査を地味~に行なってきてそれなりの「感覚」がつかめてきたので、そして雨季になり死ぬほど強い紫外線の代わりに青々と植物が茂るようになったので、今こそが無人島へ行く絶好のチャンス☆というわけで…
これまで調べつくしてきた標本データと図鑑を駆使しながら、どこの島のサンプルが「本当に」必要なのかを割り出します。
もちろん当初の計画ではすべての島へ行こうと思っていたんです。でもそれはあまりにも現実離れしていることが理解できるようになったので…

よし。決めた。規模は縮小せざるを得ないけど、ここと、ここと、ここへ行こう。


*ピンタってどこ?ガラパゴス人が知らない島

私「来週、ピンタ行きたい」
ソニア「Muy bien. じゃあ船の手配はオリバーがやるから打ち合わせて、あとセキュリティーの書類も送って。こっちはフィールド調査の許可証とサンプル移動の許可証作るからサインして…。あとルートを知ってる助手と、アシスタント学生(*)へ連絡をするから…」
*外部からの研究者は必ずエクアドル人学生をアシスタントとしてつける必要がある。一緒にフィールドへ出ることで、地元の学生が将来的に研究を行ったりダーウィン研で働く場合の経験になるので、育てる意味合いがあるらしい。

事態は私の一言で、いつも急速に展開します。(というか、顔を見ながらやってもらわないと後回しにされる)
いつもこの辺りから先は自分が意図しないほど急速なので、時々頭がついていかないことも…

オリバー「船は片道12時間。夕方出て、次の朝ピンタについて、一日島に入って、また夕方出て、次の朝に帰着。食事等込みで$3300。どう?高い?」

高いかって、そりゃ高いに決まってる。でもそれが相場なのかどうなのかもよくわかりません。

「キャップが言うには、一日$1100なんだって。で、全部で3日だよね、Right ? だから$3300。」
うーんと、正確には21日なんだけど…でも拘束時間と実働(夜中に彼らは仕事するわけだし)だから3日でしょうがないのかな。もういいや、それで。
Si.」…

船の手配を無事済ませ、ソニアのところに戻ると、彼女は壁に貼ってある地図を指さし、
「ところでピンタってどこ?」
えええええーーー。
確かに人間が住む島から最もと言っていいほど遠く離れてはいるけれど、そしてその地図には遠すぎて載っていないけれども、でもかの有名なロンサムジョージの故郷よ?ガラパゴス人が知らないなんて、そんな馬鹿な。
「ああ、もっと遠くなのね、しらないわぁ~」…そうすか。びっくりです。

ちなみに後日、うちの大家さんにも「ピンタ行ってきたの、で、それどこ?」と言われた…。軽くショックです…。

つづく…

2 件のコメント:

  1. はるか@愛媛です。
    今日ハガキが届きました。
    ガラパゴス行きたいなあ。

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  2. ごぶさた~お元気だった?
    こちらご覧のとおり、相変わらずです(笑)。
    十数年ぶり(!?)に逢いたいね。
    家族みんなで遊びに…は難しいかなぁ。
    またときどき覗いてくださいね。

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