さて、とってきたサンプルは当然、適切な処理をしなければなりません。
乾燥標本であれば適切な頻度で新聞紙を交換しながら完全に乾くまでケアしなければならないですし、液浸標本は(本当はエタノール、酢酸、ホルマリンの混合液に漬けたいのですが、こういった場所では廃液処理の問題でできないので)薬局で買ってきた消毒用アルコールを適切な濃度に薄め、様子を見ながら液を交換しなければなりません。特にDNA用のサンプルは、放っておくとDNAが分解して使い物にならなくなってしまうので、早急に処理を行う必要があります。
フィールド調査では、昼間外を歩き回っているので相当疲れているのですが、どんなに夜中になろうともその日のうちに処理してしまうのが鉄則です。標本が古くなって状態が悪くなる上に、次の日にはまたサンプルが増えてしまうからです。
眠い目をこすりながらのサンプル処理。意識が朦朧とします。
これはDNA用のサンプル。
以前はシリカゲルに1個体ずつ識別できるように保管しなければならなかったので荷物が増えて大変だったのですが、最近は技術が発達して、このように植物の汁をしみこませるだけでいい、ものすごく便利な魔法のろ紙(FTA Elute micro card, Whatman)が開発されています。(ただしこれに向かない植物もけっこうあるので、それらは昔ながらの方法で急速に乾燥させる必要がありました。またろ紙の単価が相当に高いので、かなり真剣に節約をしています;)
それから形態計測のための画像スキャンと液浸標本をつくって、一日が終わります。
あぁつかれた、おやすみなさい。。。
頑張っていらっしゃる様子を毎回拝見しています。
返信削除色々な制約がある中工夫して調査研究するのは大変なことと想像していますが、楽しんだり感動したりされているのを読むのは、心から羨ましいです^^。
それにしてもサンタクルス高地にそんな素晴らしい場所があったのか。。。
これからも楽しみにしています!
チリにいらっしゃるのも、待ってますよ〜
Tamakio
最初はどうなることかと思いましたが、おかげさまで今は軌道にのって、うまくやってます。
返信削除いろいろな島、特に一般には立ち入れない地域に行けるのは、研究者の醍醐味ですね。この特権を最大限生かして、いろいろなものを見て、感じてきたいと思います。
サンタクルスの高地は、雨季になると全く違った様相になるみたいなんです。季節が変わったらまた行ってみようと思います。
ここに自生する種のほとんどは南米大陸側の近縁種をご先祖にしているはずなので、やはりそちらのものと比べてみたいですねえ~夢(妄想?)が広がります。